株式会社タマス 様

クラウドCRM導入で異なるチャネルの応対履歴を一元管理し、業務効率化を実現

カスタマーサポート部門では、顧客の応対履歴管理を汎用的な業務アプリ(Office製品など)などで代用することが多い。低コストな反面、拡張性が低く、顧客情報の連携やマルチチャネルでのコンタクト履歴の一元管理という面で課題が生じがちだ。こうした課題を解決する方法として、CRMソフトへの移行を計画する例は珍しくない。今回紹介する事例においても、CRMのクラウドサービスを新規導入することで課題を解決し、業務効率化を実現した。

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導入企業 会社概要

会社名:株式会社タマス
創立:1950年1219
本社:東京都杉並区阿佐谷南1-7-1
事業内容: 「バタフライ」ブランドでの卓球用品製造および販売、卓球レポートのメディア運営、バタフライ卓球道場の運営

「バタフライ」ブランドでの卓球用品の製造・販売を手掛けるほか、国内外の大会におけるスポンサーも務めるなど、世界的な卓球界のリーティングカンパニーである。ラケット、ラバーといったコアな製品のみならず、ユニフォームやシューズなど幅広い製品カテゴリを有する。さらに選手との契約やメディア運営、卓球道場の運営、イベントの企画・運営など、競技としての卓球のみならず、普及にも注力している。

導入サービス 顧客対応業務支援(CRM)ソフトウェア inspirX (インスピーリ)
導入部門/規模 お客様サポートセンター/10席未満
適用業務 エンドユーザを対象としたサポートセンターにて、製品やオンラインショップへの問い合わせ全般、用具相談など。
システム構築前の改善要望
  • 電話とメールで別々に管理されている顧客案件情報を統一したい。
  • 過去の問い合わせ内容を検索、集計する機能が欲しい。
  • FAQをはじめとした社内向けナレッジの活用に適した機能が欲しい。
導入後の成果
  • 使いやすい画面構成とユーザインターフェイスで視認性が高く、業務効率向上につながった。
  • これまでチャネルごとだったコンタクト履歴が一元管理されることで、顧客情報への到達、つながりの認識が迅速でき、対応品質の向上につながった。
  • 寄せられたお問い合わせ、相談に関し、進捗管理やステータス管理、担当者の情報などを共有が容易になった。
  • 製品名や案件名ベースなど様々な角度からの過去事例検索が迅速になり、また、テンプレート機能の活用で、回答の迅速化も達成された。
  • 集計作業が容易になり、業務改善につながった。

システム構築の背景と狙い

汎用アプリで行っていたカスタマーサポート業務を効率化したい

株式会社タマス様(以下、タマス様)は、卓球関連製品に特化したメーカーとして世界卓球でのラケット・ラバーの用具シェアを5割以上獲得している企業であり、「広く深い製品カテゴリ」が特徴だ。こうした製品カテゴリに対し、初心者からベテランまでさまざまな卓球愛好家からの問い合わせが舞い込む。タマス様では、お客様サポートセンターを設置し、月間200件ほどの問い合わせに対応している。

以前は、電話対応をMicrosoft Accessに蓄積し、メール対応をOutlookで別々に管理していた。また、社内向けのFAQについてはExcelで作成、運用していた。活用ツールが別々であることから、顧客応対時の業務が煩雑になっていた。

更に、過去の対応履歴を検索する機能や、カテゴリ別に集計する機能などを保有しておらず、手動での作業を余儀なくされていた。

こうした課題に対し、情報の一元化や業務効率向上を目的として「Virtualex iXClouZ(以下、アイエックスクラウズ)」の利用開始に踏み切った。

システム概要と選定理由

伴走支援型CRMクラウドサービスで「安心感」も提供

アイエックスクラウズは、CRMソフト「inspirX(インスピーリ)」をベースとしたサブクリプション型のCRMクラウドサービスだ。アマゾンウェブサービス(AWS)を基盤としており、コールセンター業務に最適化された基本機能を短期間、低価格で提供できることが強みだ。また業界に精通しているバーチャレクス(以下、弊社)の伴走支援があることも特徴である。

CRM導入によって顧客応対履歴を一元管理

CRMのクラウドサービスであるアイエックスクラウズを導入することで、チャネルごとにツールが分かれていた電話応対履歴、メール対応履歴、手紙やFAXなどの履歴を一元管理し、さらにエクセルで作成、運用していた社内ナレッジ用のFAQもアイエックスクラウズの機能の活用に移行した。月額利用のため、初期投資を抑制し、気軽に利用開始できることも利点である。

仮想環境の活用でスムーズな本番移行へ

導入サポートの一環として、期間限定ではあるが、本番稼働前に仮想環境(以下、サンドボックス)を設け、実環境での運用をイメージしながら検証(PoC)を実施できることはアイエックスクラウズの利点のひとつである。早期に業務へのフィット感を確認できるので、ユーザの不安や適応に要する時間の無駄を最小限に抑えられる。サンドボックスでは、ユーザ側で自由にセルフカスタマイズや基本機能に触れることができ、発生した疑問についても、随時弊社が伴走支援している。

今回のプロジェクトにおいても、本番環境で予定している設定の確認やセルフカスタマイズに関しての予行演習を行いつつ、弊社からはマニュアルも提供させていただいた。サンドボックスでの設定は、ほぼそのまま本番環境に適用されている。また、顧客応対履歴管理として代用していたAccessに蓄積されたデータの一部をCSVファイル化し、本番環境へ取り込むための準備も並行した。

タマス様からは「事前にサンドボックスでアイエックスクラウズの機能に触れたことが、かなり心理的な負担の軽減につながった」との評価をいただいている。

導入後の効果について

電話・メールの「つながり」が可視化され応対業務がスムーズに

アイエックスクラウズ導入後の効果としては、以下5つが挙げられる。

抜群の「見易さ」で業務効率が向上

タマス様からは、アイエックスクラウズについて「画面構成が使いやすい」、ユーザインターフェイス(以下、UI)の扱いやすさが業務効率向上に貢献しているとの評価をいただいた。選定候補にあがった他システムの応対画面と比較すると、1画面でほとんどの業務が完結する点、さらにその画面構成を、標準の2列から3列にユーザ各自で使い易いように変更することで、視認性や作業効率が向上するとの評価をいただいている。

顧客情報への到達、つながりの認識が迅速に

旧環境では「電話/メールを受けてからAccess/Outlookに保存された顧客情報を確認」という具合に、顧客情報の特定に手間を要していた。アイエックスクラウズへの移行後は、こうした手間が大きく削減され、迅速に顧客情報へアクセスできるようになった。また、メールと電話の履歴がアイエックスクラウズで一元管理されていることで「メールを送った後に電話をかけてきたお客様」の特定が容易になった。

案件の情報を高精度に把握可能に

お客様サポートセンターへ寄せられるお問い合わせでは、1案件あたり複数回の入電がある場合もあり、進捗管理やステータス管理、担当者の情報などを共有しておく必要がある。こうした案件の履歴情報についても、アイエックスクラウズで容易に把握できるようになった。

過去事例から「深い内容」の検索が容易に

お客様サポートセンターへは、卓球用品に関する「深い」内容の問い合わせも寄せられる。タマス様が扱う製品群は、ラケットとラバーだけでも数十万もの組み合わせがあり、製品情報の広さと深さは特筆に値する。膨大な製品情報を用いて正確な回答を提供するために、過去の事例を参考にすることも多い。旧環境では、過去事例の検索機能がなく、大分類での製品カテゴリから過去事例を探っている状態だった。アイエックスクラウズへの移行後は、製品名や案件名ベースでの検索が可能になり、過去事例が素早く見つけられるようになった。また、アイエックスクラウズのテンプレート機能を活用し、回答の迅速化も達成された。前述のの効果と合わせ、メール作成1件あたりに要する時間が15分程度短縮された例もあるようだ。

集計作業が容易になり業務改善を実現

電話・メールの問い合わせ履歴が一元化されたことで、月末の集計作業も容易になった。特にメール対応については、すべての作業を手入力で行っていたことから集計に時間を要しており、この点が改善できたことが大きなメリットだ。また、導入を機にタマス様側で、集計作業が効率化できるようなシステムづくりの計画や、製品カテゴリの見直しを行ったことも業務改善にもつながっている。

今後の展望

いつかは製品仕様DBCRMの連動を

タマス様では、製品情報そのものは別で管理されている。この製品情報をデータベース化し、CRMに連携することにより、サポート業務はより精密になり、効率も上がると考えている。直近の実現は難しいが、弊社としては今後も可能な限りの伴走支援を行う考えだ。

アイエックスクラウズをベースとしたお客様サポートセンターシステムイメージ

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株式会社タマスについてご紹介butterfly_racket.jpg

「バタフライ」ブランドで卓球用品を製造・販売する卓球界のグローバルリーティングカンパニーである。その製品は約200の国や地域で取り扱われ、世界選手権や国内全国大会等のスポンサーも務めており、世界卓球選手権でのラケットおよびラバーの用具シェアは約5割。強豪選手のみならず、卓球レポートのメディア運営、バタフライ卓球道場の運営などに取り組み、草の根レベルの地道な卓球普及活動にも貢献している。

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【最近のトピックス】
2023年アジア卓球選手権大会のタイトルスポンサー
20232024年全国レディース卓球大会のタイトルスポンサー
2024年~2026年の世界卓球のボールスポンサー
・ミニオンとのコラボ商品発売
・南極観測隊への卓球台セット寄贈
・幼児向け絵本の制作・歌のお姉さんによるイメージソングの発表
・廃材を活用した、ミニラケット製造体験企画の実施 など
・2025年4月~2029年3月の日本男女代表 公式ウエアオフィシャルサプライヤー


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※画像提供:株式会社タマス