株式会社ニッセンライフ様(以下、ニッセンライフ様)では、インバウンド/アウトバウンド両業務、そして全社的な顧客情報を一元管理し、業務効率化やLTV(Life Time Value / 顧客生涯価値)を向上できるようなシステムの構築を模索されていた。RFPをもとに数社から提案を受けたのち、最終的にCRMやコールセンター/コンタクトセンター業務への深い理解と経験値、システムの拡張性を見込まれ、当社提供の顧客対応業務支援(CRM)ソフトウェア「inspirX(以下、インスピーリ)」を選択。コールセンターはもちろん、全社で包括的に利用可能な顧客情報基盤の構築を実現された。
導入企業 会社概要
会社名:株式会社ニッセンライフ
設 立:2006年9月29日
本 社:京都府京都市中京区
業 種:生命保険の代理店業・損害保険の代理店業
ニッセンライフ様は通販で日本最大と言われるニッセンのデータベースを活用し対面、非対面(通販、WEB)での保険の提案を行っている。従来はニッセン会員というクローズドマーケットに対して、通販という手法で保険募集を実施していたが、通販では対応できないライフプランに基づくコンサルティングを行うため、現在では全国各地の保険代理店と提携し協業ビジネスとして、ニッセン会員に無料の保険コンサルテーションサービスを提供している。そして一方では、ニッセン会員以外の市場開拓の一環として、主にWEBを通して、持病があるなど健康面に不安のある方が加入できる保険の提案に力を入れており、保険を諦めておられた方々にも好評を博している。
導入サービス・製品 | 顧客対応業務支援(CRM)ソフトウェア inspirX (インスピーリ) |
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導入規模 | 50~100ユーザー |
適用業務 | 各種保険代理店業務に伴う保険相談・申込み受付業務とコンサルタント派遣のためのアウトバウンド業務 |
導入前の課題・要望 |
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導入後の成果 |
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導入背景と狙い
様々なチャネルの顧客情報を一元管理し、業務効率化とよりきめ細やかな顧客対応を目指す
ニッセンライフ様では、旧システムがサポート期限を迎えることを機にインバウンド/アウトバウンド両業務の顧客情報を一元管理し業務効率化を図り、複数の提案商品を有する保険代理店であるからこそ可能な、お客様に付加価値を提供できるようなシステムの構築を模索されていた。
システム要件が多岐にわたったため、入念にRFP(提案依頼書)を作成し、提案を受けた4社の中から、最終的に当社を含めた2社に絞り込んだ。
システムに求める重要なポイントは2つあった。1つ目として、ビジネスは変化があって然るべき、それ故、その変化にどれだけ適応でき、拡張性があるのかという点がまず挙げられた。2つ目はデータ分析のために、データベースがミラー化できるかということだった。
ご発注の明暗をわけたであろう2つ目について、今回のプロジェクトを担当されたアライアンス推進部の高山 三恵子(たかやま みえこ)部長はこう語られている。「データ分析のために、データベースがミラー化できるか?自社でシステムのデータベースにアクセスできるのか?とういうところがどうしても譲れない条件としてありました。その際『インスピーリのデータを外部から参照するためのビューをご提供する事で、今まで通り、直接Microsoft Accessでアクセスし、そこから色々な抽出・分析ができます。』という御社からの明確な回答をいただけたことに、非常に安心感がありました。」
システム会社とは、システム導入後の保守も含めて長い付き合いになる。そのため相互の信頼関係は重要である。費用面ではもう1社のほうに優位性があり、求めていたシステム拡張性には両社優劣が付け難かったものの、ニッセンライフ様が「何を実現したいのか」という細かい要望に、当社が真摯に向き合い、的確かつ具体的に解決方法をご提示できたことがご発注の決め手となったようである。このあたりは、単にシステム開発を行っているだけでなく自社でコールセンターを運営し、常日頃、BPO部門の業務課題に直面しているという当社の強みが大いに活かされたのではないだろうか?
導入後の効果について
コールセンターのみならず全社的な顧客情報基盤の構築で、顧客情報の共有・活用を実現!
コールセンターでインスピーリを利用し お客様の 応対をされるスタッフの皆様 |
インスピーリで顧客情報基盤を構築して以来、それまではバラバラに管理されていた電話、WEBサイト、そしてハガキから申し込まれる保険相談、資料請求の受付等を行うインバウンド業務の顧客情報と、保険コンサルタント派遣のアポ取りを行うアウトバンド業務の顧客情報が、一元的に共有・活用できるようになった。
業務効率化も実現された。例えば、お客様や提携先保険会社のコンサルタントにメール一通送付するにも、誤送信を防ぐための確認作業が煩雑であったが、案件に対して顧客情報が紐づくことや、メールのレビュー機能やテンプレート活用によって、作業時間が大幅に短縮された。また、インスピーリをコールセンターのみならず、全社で包括的に利用できる「顧客情報基盤」として構築したことで、これまで業務ごと、部署ごとに違っていた管理方法を橋渡しする形で行っていたデータ統合作業もなくなった。WEBサイトの資料請求フォームの入力情報も、直接インスピーリのデータベースに挿入されるようになり、即時対応が可能になった。
高山部長は「お問い合わせから30分以内の対応だと、コンタクト率が全く違います。以前は、日ごとにバッチ処理でWEBフォームからの入力データを更新していたので、実際にお客様にご連絡するのは翌日になってしまうことが多く、多少の機会損失は避けられなかったのですが、その点でも改善され、お客様とのやり取りもかなりスムーズになりました。」と評価されている。
インスピーリ内で顧客情報に基づいたアウトバウンドリストを作成できたり、案件に紐づいた申込書や契約書等の不備チェック(どこの部分の何が間違っているかなどが明確に表示されるようなカスタマイズ機能を搭載)も便利になった点であるという。
特にアウトバウンドリストについては、お客様に対して発信したプロモーション情報をキャンペーン化し、キャンペーンごとに何件発信し、何件つながったのかなどKPIが全て把握でき、かつコンタクト履歴を残せることが、とても重宝しているとのことだ。
またアウトバウンド業務では、誰が現状、どのくらいの見込み客を抱えていて、何月のどの時点で、何件架電する見込みがあるのかという細かい情報が一目瞭然となり、管理者が進捗を把握するために非常に便利になったとのことである。
保険という商材は、奥様が資料請求され、旦那様が契約される、実はお子様向けの保険商品を探しているなどのケースも多く、家族ぐるみで検討されるという特性がある。インスピーリの導入後、こうした家族単位での情報管理も可能になった。
ニッセンライフ様は、持病をお持ちであるなど健康に不安のある方にも積極的に保険のご提案を行っている。そのような場合、退院後何か月から加入可能といったことや、特定の病気だと加入できない保険など、細かい規定があるため、病状を詳しくお聞きするケースも多い。対応履歴の詳細をきちんと管理することで、違うスタッフが対応する度に、そういったセンシティブ情報を何度も聞いて、お客様に不快な思いをさせないための配慮がなされている。更にそういった取扱いの難しい情報は、半年間保持して物理的処理を自動で行う機能も、こだわりをもってインスピーリ内で実現している。
今後の展望
売りきって終わりではない商材故に、お客様との末永い信頼関係構築に最善を尽くしたい
昨今の保険商品の動きは早い。ニッセンライフ様では保険代理店としてお客様の加入されている商品にアップデイトがあれば、随時お知らせできるような体制を各保険会社と築くことにも余念がない。今後は提携代理店のコンサルタントにインスピーリの一部機能を開放し、お客様とのコンタクト状況や、申込みも入力してもらえるようになれば、顧客情報基盤としてはワンランクアップするのではと考え、活用の幅を広げること視野に入れられているとのことだ。
「保険は売りきって終わりという商材ではない、だからこそ、お客様とは末永く良好な関係を築きたいのです。LTVを向上させるということが全社的な目標です。」高山部長は今後の展望をそう締めくくられていた。