デジタルデバイスの普及により求職者とのコンタクト手段は、電話からメール、メールからLINE等のSNS活用へと移行しつつある。そして多くの企業が少子高齢化による労働人口の減少で採用難という課題にも直面する中、日研トータルソーシング株式会社様(以下、日研トータルソーシング様)はLINEの活用を中心とした、求職者との新たなコミュニケーション手段を模索している。
導入企業 会社概要
会社名:日研トータルソーシング株式会社
設 立:1981年4月1日
本 社:東京都大田区
業 種:業務請負事業/人材派遣事業/人材紹介事業
日研トータルソーシング様は、製造業を中心としたクライアント企業に向け、製造アウトソーシング・製造派遣・技術者派遣・一般派遣・人材紹介・紹介予定派遣等を展開している大手人材派遣会社だ。目指してきたのは、信頼で結ばれた働く"人"
と"企業"の関係づくり。そして人と企業をたしかに結ぶ架け橋になりたいというポリシーのもと、長年、企業活動の道のりを歩んできている。
「お互いの信頼によって生まれるパートナーシップは、仕事の質を高め、その先にある成果は、働く人に達成感を、企業に活力を生み出す。そこには働く人の笑顔があり、働く人の笑顔が広がることで企業のチカラとなり、より良い製品やサービスが生まれることで笑顔がさらに広がっていく。」
日研トータルソーシング様は、そうした思いを共有し、働く人と、企業双方に役立つ価値をトータルに提供している。
導入サービス・製品 |
顧客対応業務支援(CRM)ソフトウェア inspirX (インスピーリ) inspirX (インスピーリ) |
---|---|
導入規模 |
30席前後 |
適用業務 |
求職者からの応募情報や問い合わせ内容の入力、管理、休眠登録者の掘り起こし |
CRMシステム バージョンアップ までの背景 |
|
導入後の成果 |
|
導入背景と狙い
求職者とのコンタクト手段が時代とともに変化する中、LINEからの問い合わせ、応募対応が急務だった。
少子高齢化によって労働市場に入ってくる若い世代は減少しつつあり、企業における採用難が深刻度を増している。
またパソコンやタブレット、スマートフォンの普及により、インターネットを介してメールやSNSを利用することが当たり前になった現代では、求職活動に用いるツールも多様化している。
そのような中、製造業を中心として人材派遣業務を展開している日研トータルソーシング様はLINEでの問い合わせ、応募対応を急務と捉え、長年利用していた当社提供のCRMソフト「inspriX(以下、インスピーリ)」のバージョンアップに踏み切った。
日研トータルソーシング様はもともとLINEを通しての求人広告や応募者対応に積極的に取り組み、LINE@(ラインアット)という比較的簡易なプランを利用していたが、CRMのバージョンアップと同時にLINE ビジネスコネクトにプランを変更し、登録友達数の拡大やその他機能の拡充で、現状案件のお問い合わせのみならず、休眠している過去の応募者や求職者とのコミュニケーション強化など、今後、様々な目的で活用していくことを視野に入れた。
そこで当然、今回のインスピーリのバージョンアップの最重要要件として、LINEとの連携があげられた。電話やメールのコンタクト履歴と同様に、これまではオペレーターが個々にコピー&ペーストしていたLINEでのトーク履歴もインスピーリに連携させ、一元管理していく必要性があったわけである。
また採用管理の効率化や求職者への対応品質を担保しつつも、今後のコンタクト手段の多様化や、日研トータルソーシング様の事業拡大に備え、拡張性の面で柔軟に対応できるシステムを構築する必要があった。
導入後の効果について
LINE連携のみならず、バージョンアップに伴う新機能の追加が功を奏し、業務効率化に大きく寄与
コールセンターCRMソフト「インスピーリ」を利用し、求職者対応を行う日研トータルソーシング様の様子。 |
もともと「LINEとの連携」がバージョンアップの最重要要件であったものの、インスピーリを最新バージョンにしたことで、LINEの活用以外にも様々な効果を生んだようである。
まずLINEの活用という面に焦点を当てると、想定通りLINEのアカウントからのコピー&ペースト作業が削減された。応募者とのトーク履歴は自動で取り込まれ、電話の内容やギフト配布状況など他のコンタクト履歴とともに一元管理できるようになった。
そしてLINE連携にも利用されているAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)での外部連携で基幹システムや、MA(マーケティングオートメーション)など他利用システムとの連携が容易になり、インスピーリで登録されていた情報のうち、必要なものだけを自動で取り込むことが可能になった。
日研トータルソーシング様では、コールセンターでの受付部分をインスピーリで管理し、その後面接に進んだ方、実際に就業された方の情報を登録するのは他システムといった具合にわけて管理されているが、インスピーリから連携しなければならない項目が多く、LINE同様これまでコピー&ペーストで対応していた作業、CSVで一度出力、加工後に別システムに取り込むなどの作業が軽減された。
日研トータルソーシング様は様々な媒体を通して求人を行っている。どの媒体からお問い合わせをいただいたかは、従来インスピーリで管理されていたが、そうした情報が実際に面接や、就業後の各登録者情報とあわせて、基幹システムからも確認・取得できるようになったことは販促活動の支援になっている。
そしてインスピーリの最新バージョンから搭載された、自身で登録した直近10件の案件情報をピン止めし、すばやく呼び出せる「さっきの案件」の機能を応用して、予め擬似登録し、似たような問い合わせで、一定の入力項目の一部だけを変更したい場合などに利用されている。
様々な切り口でデータ出力可能な統計機能も好評で、デイリーでのLINE ID取得状況確認や、メールで連絡できない人への架電リスト作成などに大いに役立っているようだ。
細かな部分も含めれば、CRMソフトウェアをバージョンアップしたことで、明らかに全体的な業務効率が向上したと高評価をいただいている。
システム概要
インスピーリのWebAPIで拡張性を担保。mobi Agentの利用でLINEのトーク履歴も一元管理可能に!
画面構成、基本機能群などは、旧バージョンと操作感が変わらないよう配慮し、移行コストを最小限に留め、かつコールセンターのチャットサポートに必要な機能を備えたmobi Agent*(モビエージェント)を利用することにより、LINEでのトーク履歴を他チャネルのコンタクト履歴とともにインスピーリ上で一元的に管理することを可能とした。以前はLINE@を利用していたが、2017年9月下旬に求人拡大を視野に入れビジネスコネクトに変更、現在は50万人まで友達登録が可能な状態だ。
またインスピーリの提供するWebAPIで、拡張性が担保され、今後の事業拡大の際に必要な様々な外部システム連携も容易になった。
今後の展望
AIの活用を視野にいれ、チャットボットなどで自動化された受け答えをどのように管理するかを考察
少子高齢化の中、大手の日研トータルソーシング様とはいえ、人材確保のための採用活動は試行錯誤の連続である。LINEビジネスコネクトにプランを変更後もLINE活用については依然、実験中といったところであり、友達の増やし方や、応募の増やし方に工夫をこらし、ギフトのプレゼント履歴もインスピーリに記録し、経過を見守っている。
オフィシャル・フェイスブックも活用中である。ハイエンド人材ほど、面接に来る前にフェイスブックを確認する傾向があり、今後、メッセンジャーのメッセージをインスピーリに取り込む方向性も検討の余地がある。
求職者対応の受付履歴を、他のシステムと連携して採用や、販促のマーケティングに活用することも新しいシステム構成では十分可能だ。
AI活用も視野に入れており、AIやチャットボットなどの受け答えをどのようにインスピーリに取り込んでいくかも重要な検討事項だ。
こうした日研トータルソーシング様の取り組みを、今後もバーチャレクス・コンサルティングでは、全力でご支援していく。
*mobi Agent(モビエージェント)とは
モビルス株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:石井智宏)の提供する高度な自動応答、柔軟な連携機能(自動・有人)、モニタリング・KPI管理、オペレーター支援などを備えたチャットサポートツールです。リアルタイムでのチャットサポートを実現し、ビジネスを加速させます。
製品サイト:https://www.mobi-agent.com/
日研トータルソーシング様のシステム概要