株式会社ニコンイメージングジャパン 様

きめ細やかな応対で顧客満足度向上を目指し、「Nikon(ニコン)」のブランド力のみに依存しない新たな顧客提供価値の創造に取り組む

株式会社ニコンイメージングジャパン様(以下、ニコンイメージング様)のカスタマーサポートセンターでは更なる顧客満足度向上を目指している。圧倒的なブランド力に慢心することなく、近年、全社を挙げて顧客提供価値の創造に取り組んでいるのだ。現在、バーチャレクス・コンサルティング(以下、当社)のCRMソフト「inspirX(以下、インスピーリ)」はそのような取り組みの一助となっている。


ニコンイメージングジャパン

導入企業 会社概要

会社名:株式会社ニコンイメージングジャパン
設 立:1988年2月5日
本 社:東京都港区
業 種:デジタルカメラ、フィルムカメラ、カメラ関連アクセサリー、双眼鏡、その他光学関連

ニコンイメージング様は、グループ会社である株式会社ニコンが展開する数多くの製品・サービスのうち、主力であるカメラや双眼鏡、ゴルフの距離計、その他光学関連機器の国内販売、サービスを担当している。
お客様と共に豊かな映像ライフを創造することを企業理念とし、そのためのマーケティング活動を重視、ユーザー向け拠点の「ニコンプラザ」、会員制ユーザー組織「ニッコールクラブ」の運営、また、写真展や現役プロカメラマンの技とテクニックが学べる講座など様々なコンテンツを提供する「ニコンファンミーティングキャラバン」などを開催、ユーザーを大切にする活動を幅広く、積極的に行っている。

導入サービス・製品 顧客対応業務支援(CRM)ソフトウェア inspirX (インスピーリ)
導入規模 数十席
適用業務 問い合わせ、修理依頼などのカスタマーサポート業務
CRMシステム導入までの背景
  • 属人化したオペレーターの対応の均一化を図りたかったため。
  • 過去の販売製品など含め各製品の仕様検索にかかる時間を少しでも短縮したかったため。
  • 通話時間および案件対応時間が把握できるように改善したかったため。
  • 他センターや修理センターとの情報共有を図りたかったため。
導入後の効果
  • 管理項目のカスタマイズやシステム連携、インターフェイスの向上により使い勝手が格段に改善された。
  • インスピーリのFAQ機能の活用によって、応対品質の均一化を実現、誤答するなどのミスがなくなった。
  • 検索が早く、過去データの参照が容易になり、ナレッジ管理が大幅に改善された。他センターや修理センターからも問い合わせや、修理依頼等の案件情報の共有が可能になった。
  • 通話時間や対応内容など、オペレーターの対応状況が把握できるようになった。

導入背景と狙い

拡張性、機能性に優れ、顧客対応業務の生産性向上を実現できるCRM構築が急務だった

ニコンイメージング様のカスタマーサポートセンターは、ユーザーからの製品や提供サービスへの問い合わせ、故障時の修理依頼など様々な対応を行っている。その数は、一日数百件に及ぶ。コールリーズンは一定ではなく、例えば、主力製品のカメラ一つをとっても過去製品を含めると多岐に渡るため、問い合わせ内容も多様である。全社を挙げてマーケティング活動の活性化を促進する中、今後のオムニチャネル化を視野に入れると既存システムではすでに限界があったという。
新たなCRMシステムの導入に踏み切ったことについて経営管理部 情報システム課の藤盛マネジャーは「既存システムが老朽化し、サポート期間も終了していました。そのため現場にとってもっと使い勝手のよいシステムに移行することを検討していました」と語る。  
システムのリプレイスによって改善したい主な課題は、次の3点であった。

  1. 【拡張性の課題】業務変更や成長にシステムが追い付けず、業務毎に管理項目をカスタマイズできない、システム連携の仕組み、インターフェイスに乏しいため、他システムとの連携、オムニチャネル化が見込めない。
  2. 【機能性やデータ不足の課題】電話対応の内容をCRMの軸で分析に活用できない。問い合わせ対応の機能に乏しく、複数製品の問い合わせ処理を同時に行うなど、柔軟な対応が行えない。
  3. 【生産性の課題】画面間遷移が煩雑で、検索性に乏しいため、オペレーションが非効率になり、ナレッジ管理が行き届かず、非生産的である。

ニコン製品には古くからの愛着を持つファンが多い。そんな根強いファンの顧客満足度向上や、顧客体験の創出による新規ファン獲得のため、問い合わせ対応への品質向上が求められた。
CRMシステムの導入に当たっては複数社でのコンペとなった。価格面では各社で大差がなかったが、使い勝手のよさ、拡張性がカスタマーサポートの現場でかなり評価が高く、インスピーリの導入が決定した。また、希望の納期に対応できること、自らがコールセンターを運営するノウハウをもった当社ならではの、より具体的なシステム改善案提示が採用の決め手になったという。

導入後の効果について

業務が効率的になっただけでなく、データを蓄積し、活用していこうというセンター内の発想の転換に寄与

機能面では以前と比較するとかなり充実し、必要項目を追加・編集するなどセンター現場でカスタマイズが可能であったり、一度のコール対応でクレーム、問い合わせ、修理依頼など、コールリーズンごとに履歴入力を分けられるシンプルな画面構成なので、生産性も向上したようである。
これまでは「オペレーションのためのシステム」だったものが、インスピーリを導入したことによって、データを蓄積し、活用しようというセンター内の発想の転換に寄与したことも収穫であるという。
「インスピーリのレポート機能を利用することにより、データ分析のやり辛さが改善されました。また、業務に合せて入力項目を追加・編集するなど、画面のカスタマイズも可能になった。またCTIとの連携や、過去問い合わせの検索が早くなったことで、大幅に業務効率が改善されました。FAQや、テンプレート掲示板などオペレーター向け支援機能も充実していて現場でも好評です。FAQの活用で同じような製品名のお問い合わせもかなり正確に回答できるようになりました。」とカスタマーサポート部カスタマーサポートセンターの杉浦マネジャーは語る。  
また前出の藤盛マネジャーも「通話品質、対応品質はレベルアップされました。お客様からの電話はほとんど匿名で受けていることが多いのですが『以前、こういうことを聞いたんだけど』とおっしゃる方もいます。検索がしづらかったときは『前にも言ったのにまた同じことを言わせるのか』と怒らせてしまうこともありましたが、検索がしやすくなったことでオペレーターも的確な受け答えができる。お客様とオペレーター双方のストレスが少なくなったように思います。」とインスピーリ導入に対する評価をいただいた。
CTI連携については「どのように連携をしたいのか」ということをヒヤリングし「着信ポップアップやツールとの連携も行いたい」といった希望を吸い上げ、案件履歴と連携することや自動連携をカスタマイズすることを提案、また、検索の機能においても「どう管理していくか」について何度もディスカッションを重ね、ベストな管理方法を納得して選んでいただいた。現場は使い勝手のよい操作性を重視していたため、このような検討には特に時間をかけることとなった。  
また、オペレーターのナレッジ管理も使い勝手のよいものにカスタマイズされている。インスピーリの導入によって顧客満足度の向上と業務の効率化につながったという。

インスピーリ導入後の改善点

導入後改善点

ニコンイメージングジャパン

株式会社ニコンイメージングジャパン
右から
経営管理部 情報システム課
マネジャー
藤盛 勇一(ふじもり ゆういち)様

カスタマーサポート部
カスタマーセンター
マネジャー
杉浦 徹(すぎうら とおる)様

システム概要

インスピーリのWebAPIで拡張性を担保。旧システムからのデータ移行を行い、外部システムとの連携もスムーズに!

仮想サーバーのインスタンス上にインスピーリのアプリケーションを構築し、旧CRMシステムに蓄積された20年以上にわたる問い合わせ履歴データと、顧客、商品等のマスターデータを関連性を損なわずに完全移行、さらに過去事例検索に活用できるデータベースを構築した。CTI連携も果たし、着信ポップアップや、コールログが自動的に案件履歴に紐づくようになるようカスタマイズを行った。また、FAQ機能、統計機能の個別カスタマイズを実施。複数あるサポートセンターや、サービス拠点、修理センターとの情報共有もスムーズに行うことができるようになった。  
また当社のCRM構築に特化したノウハウ、提案時からシステム導入後のメンテナンスまでの、営業対応の手厚さ、そしてシステム構築時のプロジェクトマネージャーがその後の保守や、追加カスタマイズを引き続き担当したことなどについて、システムベンダーとして非常に安心感や信頼感を寄せることができたと高評価をいただいた。

今後の展望

いつまでもニコンと想っていただけるよう、全社をあげて顧客体験価値の創造に取り組みたい

「インスピーリ導入後も引き続き、日々の運用から、オペレーターのアイディアを引き出しつつ、機能の有効活用を模索、必要な場合は業務もシステムも改善し、平均処理時間(AHT)の短縮を目指して行きたいです。導入して終わりではなく、使いこなして結果を出すことが重要です。」と杉浦マネジャーは語る。  
また、蓄積されるデータをどのように分析し、どのように活用するかについても検討されている。  
元々、テクニカルサポートの一貫としてスタートしたセンターであるため、顧客情報の蓄積がなく、ロイヤルカスタマーを育成するような施策は行っていなかったが、今後は「ニコン」というブランド力に依存しない柔軟な考え方を必要とし、全社をあげて「顧客体験価値の創造」に取り組んでいる。  
「ニコンには長年、根強いファンがいます。そんなファンを大切にしつつ、時代に合わせて新しいファンも獲得する必要性があります。『いつまでもニコン、いつかはニコン』という想いを育てていくことが非常に重要と考えています。そのため、全社的にお客様とのコミュニケーション活性化に取組んでいます。VOC(顧客の声)を蓄積し、分析することで、どのようにそれに応えていくかが今後の課題です。」と藤盛マネジャーは語る。
製品を販売して終わりではなく、サポートする体制を強化していきたい、そのために、オムニチャネル化を意識し、SMS(ショートメッセージサービス)を活用して詳細情報はウェブサイトに誘導することや、将来的には、LINEやチャットサポートの検討もしているという。
システム提供だけなく、CRM領域のコンサルティングも手掛ける当社では、今後もこのようなニコンイメージング様の取り組みを全力で支援していく。

ニコンイメージング様におけるインスピーリ導入イメージ

導入イメージ