株式会社ネットプライスは、インターネットを使った共同購入の仕組み「ギャザリング」を中心としたEコマースサイトを運営している会社です。同社では、独特なビジネスモデルによる非対面販売の要となるカスタマーセンターの強化を目的として、コンタクト管理システムの見直しを行なっておりました。システムの操作性、受注情報との連携や事業拡大に合わせた拡張性などを考慮した結果、「inspirX Communication (インスピーリコミュニケーション) 」を採用しました。
導入企業 会社概要
会社名:株式会社ネットプライス
設立:1999年11月25日
本社:東京都品川区
業種:流通・販売
事業内容:携帯電話およびパソコン等からアクセス可能なインターネット上での通信販売事業、各種Eコマースの企画店開発事業等
導入サービス・製品 | 顧客対応履歴管理ソフトウェア inspirX Communication (インスピーリ コミュニケーション) |
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導入規模 | 50ユーザー以下 |
適用業務 | カスタマーサポート |
導入背景と狙い
ビジネスの拡大に伴い、カスタマーセンター業務の効率化が急務に
株式会社ネットプライスは、インターネットを使った共同購入の仕組み「ギャザリング」を特徴としたECサイトを運営している。ECサイトの月間アクセスは数千万に上る。
販売する商品ジャンルは、ファッション、美容・化粧品、生活雑貨、家電製品、食品などさまざまで、現在1500のメーカー、ベンダーから商品を仕入れている。1つの商品の販売期間は1週間程度で、この間に雑誌・テレビ・ラジオやインターネットなど約150の提携媒体と連携して集客を行う。多いものだと、1万件以上の申し込みを1週間で集めるという。
同社はカスタマーセンターをコンシェルジュという位置づけと捉え、距離感の近い顧客コミュニケーションや迅速な対応を常に心がけている。しかし、急速な成長により既存システムの動作は不安定になり、機能面の拡充による対応の効率化も求められるようになり、CRMシステムのリプレイスを検討することとなった。
同社は、数あるソリューションの中から、システムの操作性、受注情報との連携や事業拡大に合わせた拡張性などを考慮した結果、inspirX Communicationを採用した。
導入後の効果について
1000万件の履歴に耐えるカスタマーセンターの構築
同社の業績拡大につれ、当初使用していたCRMシステムのトラフィック・データボリュームは膨大となり、動作が不安定になっていたという。
当時は業務時間中に一日一回以上はサーバの再起動が必要な状況になっており、対応業務に支障をきたしていた。
今回のシステムリプレイスでは、将来の会員数・取引数の拡大や問合せ・対応人員の増加を視野に入れた動作の安定性、スケーラビリティが必須要件だった。
同社はinspirX CommunicationのRDBMSとして、1000万件の履歴に耐えたパフォーマンステストの結果からIBM社のDB2を採用した。
これまで顧客対応時には会員情報の詳細や受注情報は個別のシステムで参照されていたという。
「ギャザリングという販売形式において通常の通販に比べてスピード感を重視している。毎週火曜日に商品を入れ替え400点以上の商品が動くため、顧客対応においても受注情報の管理が重要となる」(ご担当者様)
上記を理由に、オペレーションシステムと顧客及び受注データベースの連携は必須とされた。inspirX Communicationの特徴でもあるシンプルでありながらも顧客情報、対応履歴の参照が一画面に網羅された画面構成をベースに独自のカスタマイズを行なった。
既存システムからのデータ移行及び並行稼動を前提として、2006年の1月に新システムの構築が開始され、2006年4月の新システム稼働となった。
システム概要
円滑な顧客サポートを損なわないため様々な面からシステムを選定
同社はカスタマーセンターをコンシェルジュという位置づけと捉え、高い顧客満足度を目指し常に迅速な対応を心がけている。
「inspirX Communicationの対応画面はシンプルかつ情報参照と入力の希望がバランスよく配置されているので使い勝手が良い。特に過去の応対履歴を案件ごとに参照できるようになった点や顧客・受注データベースとの連携によってまとめて情報参照できるようになった点が大きい。」(ご担当者様)
問合せの90%を占めるメールの向上、中でも売上の70%を占める携帯での問合せ対応は効率化が急務だったが、inspirX Communicationの導入により大幅に改善された。
「メールの文字数カウントや分割送信機能は携帯ユーザへの対応効率を向上させた。スパムメールの一括削除なども活用している。」(ご担当者様)
inspirX Communicationの導入により、顧客への一次回答時間を約40%削減できたという。
また、同社はVOC(顧客の声)の収集にも余念がない。
「企業とお客様が近い距離でいるため、inspirX Communicationでカテゴリ分析やホットボイス機能を活用している。」(ご担当者様)
販売企画部門に対して、顧客傾向の把握や顧客の生の声をより具体的に報告できるようになり、ペルソナ活動への貢献やECサイトの文言チェックなどカスタマーセンターの重要性がますます高まっている。
今後の展望
システムの充実と高い顧客意識により更なる成長を
inspirX Communicationの導入により、現時点では大幅に人員を増やすことなく、スタッフの応対スキルの向上が実現された。
「ECサイト立ち上げ当初は代表自ら問合せ対応をしていたこともあり、これまでと変わらずお客様との距離感を大切にしている。オペレーターも意識が高く、対応一つ、サイトの文言一つにしても何かあればすぐに飛んでくる。」(ご担当者様)
統計機能が充実した現在でもセンターでは日々顧客から届くメール400~500件を全て読んでいるという。顧客対応基盤の充実と高い現場意識がECサイト「ネットプライス」の人気を支えている。