株式会社マイナビダイレクト様(以下、MD様)は、コールセンター設立後、アウトソーシングの業務をスムーズに開始できるよう、コールセンターシステムの構築を検討していた。アウトソーサーとして長期利用を視野に入れ、コールセンター運営に必要な機能を満たしたCRMソフトウェアを熟考した結果、バーチャレクス・コンサルティング株式会社(以下、当社)提供の「inspirX(以下、インスピーリ)」を採用することを決定した。
導入企業 会社概要
会社名:株式会社マイナビダイレクト
設 立:2016年10月3日
本 社:東京都千代田区
業 種:コールセンター及びBPO事業
コールセンター運営は文字通り、電話なくしては成り立たない事業であるが、時代の変遷とともにその業務範囲は拡大・深化しつつある。世界的にデバイスの多様化が進行しており、付随するメールやチャット、SNSなどコミュニケーションツールにも対応、さらに周辺の業務代行を請負う総合的な「コンタクトセンター&BPOセンター」へと進化し、そのニーズは高まっている。そのような業界の背景を踏まえ、マイナビグループから2016年10月に設立された新会社がMD様だ。マイナビグループのDNAを継承しつつも、既成概念にとらわれない、常に時代の先を見越した新しい総合的アウトソーシング企業を目指している。
導入サービス・製品 | 顧客対応業務支援(CRM)ソフトウェア inspirX (インスピーリ) |
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導入規模 | 283ユーザー |
適用業務 | オムニチャネルに対応する総合的なコールセンター業務 |
コールセンターシステムに対する要望 |
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導入後の成果 |
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導入背景と狙い
アウトソーシング業務開始までに、短期間で安定的なコールセンターシステム構築が急務だった
2016年10月にマイナビのグループ会社として設立されたMD様は、すでに決定していた2017年4月からのアウトソーシング業務開始に向けて、速やかなコールセンターシステムの構築が急務となっていた。
テレフォニー基盤は、PBXやCTI、IVR、通話録音、レポーティングなどをオールインワンのクラウドで提供するジェネシス・ジャパン株式会社のPureCloudに決定しており、PureCloudと親和性のある標準機能を備えた、すぐに利用可能なCRMソフトウェアを探していた。
当初、別のCRMソフトウェアの導入する計画だったが、
- コールセンター業務に特化した機能を標準として提供してほしい。
- 業務量の増加に応じてコストがリニアに増加することを抑制したい。
- アウトバウンド業務効率化のための機能を具備したい。
という要件に合致せず、再検討に踏み切り、5社の提案の中から当社のインスピーリの採用が決定された。その理由について、MD札幌センター長である伊藤様は「アウトソーサーとして使いたいと思う機能が、ほぼ標準で具備されていた印象です。インバウンドでもアウトバウンドでも利用できそうな機能が揃っていて、画面の見やすさ、使い易さが他社製品よりも際立っていました。かゆいところに手が届くというか『さすがはコールセンター運営を自らがしている方たちが作っているソフトウェアだ』と感じ、運営側としては即決しました。」とのお言葉をいただいた。
また、カスタマイズなしで短期間導入可能であったことも、採用決定の大きな要因であったという。
導入後の効果について
初心者にも操作しやすいユーザビリティと、テナントが増えた際の対応力で業務処理の効率化に貢献
実際に利用してみても提案時の印象と相違がなく、現時点では問題なくインスピーリを利用されている。スタッフの方々からも画面が見やすく、シンプルな操作で使い勝手が良いとの好評価をいただいている。
インバウンド・アウトバウンド双方の業務において、顧客応対しながらメンテナンスできるFAQ機能や、顧客応対履歴・過去事例の検索機能などが処理効率の向上に繋がっており、月次の報告会では、ユーザー自身で集計項目、縦軸、横軸を選択しレポートを定義できる統計分析機能を駆使し、様々な確度からの集計が行われている。
シェアードセンターのCRMシステムとして、インスピーリに対する期待は非常に高く、その日のその瞬間に伝えたい情報を簡単に一斉周知できるメガホン機能、「ターゲットの選定」や「アプローチリストの作成」、「トークスクリプトの作成」、「結果の分析」までキャンペーン業務を一気通貫で支援するキャンペーン機能など、今後、更に活用していきたいとのご希望がある。
システム概要
標準パッケージの性能を活かしながら、短納期かつ、きわめて安定的にシステム導入を実現!
先述した通り、①業務開始に間に合うよう2カ月半で導入できる、②業務ごとのデータを個別サーバーで管理できる、③コールセンター基盤であるPureCloudとの連携ができる、これらが採用のポイントとなった。インスピーリはノンカスタマイズのパッケージで導入し、AWS(アマゾンウェブサービス)のクラウドサーバーを利用することで、業務ごとにデータを分け、PureCloudと連携させ、アウトバウンド業務も遂行できるようになっている。本プロジェクトは日本初のPureCloudのアウトバウンド利用案件でもある。導入後から現在に至るまで、安定的にご利用いただいている。
アウトバウンドを行う際のコールリストの作成フロー
今後の展望
BCP対策を見据えた第2センター開設、SMSやLINE、 チャット等の積極的活用を目指す
「具体的な時期は未定ですが、BCP(Business Continuity Planning / 事業継続計画)の観点からも第2センターの開設は必須と捉えています。そのために、まずはインバウンド業務をどんどん増やして札幌センターを安定的に稼働させ、その後、徐々にスポットのアウトバウンドを増やし、品質が高い柔軟なコールセンター運営を実現していきたいですね。」伊藤様は、そう語気を強める。
また「学生ターゲットの業務を行った経験から、今の若い方は電話に出ないという傾向がわかります。ただキャリアからのお知らせが届くのでショートメールは見る、LINEやチャットは比較的利用するようです。ですので、そういったコミュニケーション手段を積極的に活用した提案をしていきたいですね。」とも語る。
今後も当社ではインスピーリをはじめとしたソリューションを用いて、このようなMD様の事業展望を、強力にサポートしていく予定である。
MD様におけるPureCloud+インスピーリでのアウトバウンド業務イメージのご利用イメージ
1.PureCloudによりお客様へ初回のアウトバウンドコールが行われた場合 | 2.PureCloudによりお客様へ2回目のアウトバウンドコールが行われた場合 |