株式会社オーディオテクニカ 様

CTIとCRMの連携による高度の情報処理が必須と考え、月2000件規模の問い合わせ対応をCRM刷新によって効率化

コールセンターには、製品の使い方に関する相談や不具合の報告など、多様な内容が寄せられる。こうした問い合わせは、電話とメールによるものが多く、月あたり数千件に達するケースも多い。また、問い合わせの履歴入力や顧客管理など、顧客対応以外にもさまざまな業務があり、CTIとCRMの連携による高度の情報処理は必須である。特にCRMの機能や維持管理のしやすさは、業務品質に直結し、CRMの刷新によって多くの効果が期待できる。株式会社オーディオテクニカ様の事例から、コールセンターCRM「inspirX」の導入効果などを紹介する。

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導入企業 会社概要

会社名:株式会社オーディオテクニカ様
創立:1962年4月17日
本社:東京都町田市
事業内容: 一般用・業務用音響機器、光学関連機器、産業用機器などの企画・製造・販売

導入サービス 顧客対応業務支援(CRM)ソフトウェア inspirX (インスピーリ)
導入部門/規模 お客様相談窓口/50席未満
適用業務 製品仕様や使い方、修理、製品の購入前相談、その他問い合わせなどカスタマーサポート業務全般
システム構築前の改善要望
  • 設定やカスタマイズなどをユーザー側で簡単に行えるようなシステムが欲しい
  • WEBや他システムとの連携機能を持った拡張性のあるシステムにしたい
  • Webフォームとの連携により情報入力の手間を削減したい
  • メンテナンスにかかる工数の削減のため、クラウド型のソフトウェアにしたい など
導入後の成果
  • システムのメンテナンスにかかる作業時間が大幅に削減された
  • WebフォームとCRMがAPIで連携されることにより情報入力の工数が削減された
  • 電話、メールを合わせて2000件/月規模の問い合わせ対応が効率化された
  • 対応履歴を内容ベースで検索することが可能になり、対応ログの抽出や他部門への情報展開が精緻かつスムーズになった

システム構築の背景と狙い

カスタマイズや設定変更時の費用、工数を削減したい

株式会社オーディオテクニカ様(以下、オーディオテクニカ様)では、音響機器の開発・製造・販売を一気通貫で手がけている。BtoC領域では一般的な音響機器を販売する一方で、BtoBでも会議システムやカラオケボックス用の赤外線マイクを提供するなど、幅広い製品ラインナップが強みである。オーディオテクニカ様では、これら広範な製品群に対する問い合わせを、国内に設置した複数のコールセンターで受け付けている。今回、「inspirX(以下、インスピーリ)」の導入対象となった2つのコールセンターでは、それぞれ以下のような業務を担っているとのことである。

・コールセンターA:製品の仕様や使い方、パーツ販売、製品の購入前相談など
・コールセンターB:修理やパーツ販売の受け付けなど

これら複数のセンターに寄せられる問い合わせへ対応には、CTIとCRMを組み合わせた専用システムを利用しており、電話やメールで寄せられた内容を担当者が確認し、CRMに情報を入力するという業務が行われている。

インスピーリ導入前の旧システムには、オンプレミス型のCRMが組み込まれていたが、カスタマイズの柔軟性が低く、僅かな設定変更のたびに費用と時間がかかり、また、Webや他システムとの連携ができないことも、業務効率の面から問題視されていた。

導入後の効果について

2000件月規模の問い合わせ対応を効率化

インスピーリ導入後の効果としては、以下3点が挙げられる。

1. Webフォームとの連携により情報入力の工数削減

旧システムでは、寄せられたメール内容を参照しつつ、情報入力する必要があったが、インスピーリを導入後、API連携により情報入力を自動化、入力時間の短縮が進んだ。定量的な計測を行っていないとのことだが、問い合わせは、月合計2000件程になり、1件あたり1分程度の時間短縮とすると、1日あたり1時間、月単位では30数時間分に相当する工数削減を実現。

2. 対応履歴からの情報抽出および情報展開の精度向上

旧システムでは、対応内容を細かく分類ができないという課題があったが、インスピーリ導入後は、細かなカテゴリの登録することで、対応履歴の検索がしやすくなった。
例えば、マイクの不具合の場合「ノイズが入る」「ザーザーと音が鳴る」などの報告が寄せられる。これら「表現は異なるが、同一の内容に属する問い合わせ」を「音声に関するもの」「電源に関するもの」などでカテゴライズし、情報抽出速度向上を実現した。
また、情報抽出の手間が軽減されたことで顧客の声(VOC)を発信しやすくなり、他部署からの情報提供依頼にも気軽に応じられるようになった。旧システムでは、対応ログのみを提供していたが、インスピーリ導入後、顧客からの意見・要望をより具体的かつ的確に展開でき、顧客の声を開発やマーケティングに活かしやすい体制が確立された。

3. 外部システムからの製品登録にかかる工数削減

オーディオテクニカ様では、外部の専用システムで製品情報を管理している。この製品情報はコールセンターへの問い合わせにも活用されるため、定期的に外部システムからCRMに対して製品情報の入力を手動で行う必要があった。インスピーリ導入後は、外部システムから抽出した製品情報を一括登録し、入力時間や確認作業の負担が軽減された。

inspirXを選定した理由

「カスタマイズの容易さ」「リプレイスの負担軽減」「伴走型支援」などがポイントに

オーディオテクニカ様では、今回のリプレイスにあたり、当5社程度を候補に挙げられていた。その中から「インスピーリ」を選定された理由は、以下のとおりである。

 カスタマイズが容易である

インスピーリは自社業務に合わせた設定変更、カスタマイズをユーザー側で行えるため、管理工数や費用の削減につながると評価いただいた。

 リプレイスの負担軽減

サーバーの保守期限によるリプレイス工数の削減や心理的負担の軽減が見込めた点も選定理由である。インスピーリはクラウド対応可能なCRMであり、物理的なサーバーのリプレイスは不要である。

 伴走型支援

オーディオテクニカ様からは、選定段階から外部システム連携など、いくつか質問をいただいた。その際「可・不可を明確に回答したこと」「課題に対し、最適な解決策を提案したこと」など、コールセンター運営に精通した当社ならではの支援も評価いただいている。

 機能面、コストなど

インスピーリの入力支援機能初期費用の低さなども高評価であった。5~10年で比較した場合、オンプレミス型とのコスト差は大きくない。リプレイスの負担が軽減されることや、数年おきに社内での決済を得る必要がないことなど、クラウド特有の強みも評価いただいた。また、信頼性が高いAWSをプラットフォームとして採用したことも選定の理由となったようだ。

オーディオテクニカ様のカスタマーサポート部門の様子

今後の展望

新たな窓口の新設など利便性向上も視野に

オーディオテクニカ様では今後、LINEのような新たな問い合わせチャネルの立ち上げにインスピーリを活用したいという展望をお持ちのようだ。バーチャレクスは、今後も全力でオーディオテクニカ様のビジネスを支えていく。

インスピーリをベースとしたオーディオテクニカ様のコールセンターシステムイメージ

インスピーリをベースとしたオーディオテクニカ様のコールセンターシステムイメージ